半衿とは?着物との組み合わせや季節やTPOで合わせ方をご紹介

着物を着るためにはたくさんの小物が必要です。この記事では、着物を守り、さらに着こなしもおしゃれにしてくれる『半衿』の役割と付け方を詳しく解説します。

自分でできる半衿のお手入れ方法と、着物の着用シーン別に考える半衿の選び方、着物と半衿の組み合わせルールやマナーもまとめました。

個性的でおしゃれな着物を多数取り扱うキモノショップ和風館ICHIでは、振袖のレンタルと販売を手掛けています。
定番の古典柄からレトロモダン、ガーリー系までさまざまな色柄の振袖をご用意していますので、成人式のご準備にぜひお役立てくださいませ。

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半衿とは?

半衿とは着物の下に着る長襦袢の衿に重ねて使用するものです。ここではまず半衿とはどのようなものか、なぜ必要なのかを解説します。

半衿の長さ

半衿は幅14~15cmほど、長さ約1mの布です。着物の衿の半分ほどの大きさであることから半衿と呼ばれています。

半衿は必ず必要?

着物の着る際には半衿が欠かせません。例外として浴衣の着付けには長襦袢を使用しないため、半衿も不要です。
半衿の大きな役割は、着物や長襦袢が汗や皮脂で汚れるのを防ぐことです。色柄物の半衿を選べばおしゃれアイテムとしても活躍します。

長襦袢と半衿の簡単な付け方

半衿は自分で長襦袢につける必要があります。それ知らずに着物や振袖を着る当日を迎え、あわてて付ける羽目になるという事態は珍しくありません。
続いては半衿を長襦袢に縫い付ける方法と、裁縫が苦手でも簡単にできる付け方をまとめました!

縫い付け方

半衿は針と糸で縫い付けるのが基本です。縫い付けるとしっかり固定できますので、裁縫ができる人は以下の手順に沿って半衿を付けてみましょう。

1.半衿の裏面と、長襦袢の衿を低温~中温のアイロンで伸ばします。
2.半衿を裏返したまま両端を2~3cmほど折り、アイロンをかけたら、しつけ糸で縫い付けましょう。
3.半衿をまっすぐ横に広げたら上部分を1~1.5cm折り、アイロンをかけて折りしろを作ります。
4.長襦袢を背中側が表になるように広げ、衿に半衿を重ねます。このとき、半衿の中心と長襦袢の背中心(背中の中心を通る縫い目)を合わせましょう。
5.背中心から両端に向かって一定間隔でまち針を刺し、仮止めします。
6.左右どちらかの端から、折りしろに沿って半衿を縫い付けましょう。(※縫い方は“くけ縫い”がおすすめ♪)
7.長襦袢を裏返し、内側が表になるように広げます。
8.はみ出している半衿のもう半分を長襦袢の衿に重ねるように折り、(5)(6)の手順と同じく縫い付けたら完成です!

両面テープ

裁縫が苦手なら、半衿用の両面テープを使ってみるのはいかがでしょうか?両面テープを使うときの手順は、縫い付ける場合と同様にまず半衿と長襦袢の衿にアイロンをかけます。

次に折りしろを作ったら、折りしろに沿って両面テープを貼り、長襦袢の衿に重ねて貼り付けましょう。
ポイントは必ず半衿用の両面テープを使うこと。その他の両面テープを使うと粘着力が足りなくて剥がれてしまったり、使い終わったあとの半衿からキレイに剥がせなかったりする可能性があるため、気を付けてくださいね。

安全ピン

安全ピンで半衿を付ける方法も簡単でおすすめです。事前に半衿と長襦袢にアイロンをかけ、折りしろを作ったら、まち針で半衿と長襦袢の衿を仮止めしましょう。

次に、首の後ろあたりにくる半衿の折りしろに沿って3箇所、前面に4~5箇所ほど安全ピンを付ければしっかり固定できます。
なお、安全ピンは肌に触れないよう、長襦袢に重ねた半衿の上から刺しましょう。

ファスナー式

近頃は衿元にファスナーがついた長襦袢も登場しています。同じくファスナー付きの半衿を選べば、洋服を着るようにものの数秒で半衿を付けられて便利です。

和風館ICHIでは、振袖の着付けに必要な小物がそろった一式レンタルセットをご用意しています。
お客さまにご準備いただくのは肌襦袢と髪飾りだけ。長襦袢は半衿を付けてお届けしますので、面倒な作業は一切不要ですぐに着付けをしていただけますよ♪

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半衿のお手入れ方法や洗い方

半衿のお手入れ方法は素材により異なります。以下のような半衿は着物の取り扱いに対応しているクリーニング店に持ち込みましょう。

・正絹でできたもの
・全面に刺繍が施されているもの
・金箔や銀箔が散らされたもの

ポリエステル、木綿、モスリンでできた半衿はご家庭の洗濯機で洗ってかまいません。お使いの洗濯機に優しく洗えるコース(おしゃれ着コース、手洗いコース、ドライコースなど)があれば、それで洗います。

汚れがあるときは、中性の洗濯洗剤を溶かしたぬるま湯に浸けてしばらく置いたあと、使い古しの歯ブラシで軽くこすって汚れを落としましょう。

半衿の素材が分からない、ひどい汚れがついているなどの理由でお手入れ方法や洗い方などに迷ったときは、クリーニング点に持ち込むのが安全ですよ。

和風館ICHIでレンタルした振袖や小物一式は、クリーニング不要でそのまま返却OK!お手入れにかかる手間をできるだけ抑えたいときにぜひご活用を♪

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半衿の生地の種類と着用時期は?

半衿に用いられる生地の織り方も多岐にわたり、その種類によって着用に適した時期や季節が変わってきます。
続いては一般的によく見られる半衿の生地の種類と、それぞれの着用時期をまとめました。

塩瀬(しおぜ)

光沢のある見た目と、横方向に走る畝(うね)模様が特徴の生地です。細い経糸(たていと)2本に対し、太い緯糸(よこいと)1本を織って布にしています。

着用に適した時期は10月初旬頃~5月いっぱいまで。
袷(あわせ)の着物(※裏地付きの着物のこと)に合わせる半衿の中ではもっともポピュラーです。

絽(ろ)

緯糸に対して2本の経糸を交差させる『もじり織』という織り方でできた生地です。通気性に優れ、やや透け感がある涼しげな見た目の半衿に仕上がっています。
6月~9月下旬頃までの暑い時期にぴったりです。

縮緬(ちりめん)

表面にシボというデコボコがあるのが特徴です。シボができる理由はねじりを加えた糸で生地を織るため。
着物にあわせると上品で落ち着いた印象をプラスできます。11月半ば~2月半ばあたりの寒い時期に着用するとよいでしょう。

麻絽(あさろ)

絽よりさらに透け感がある、麻でできた生地です。着用に適した時期は7月~8月末まで。
適度なシボとシワが入っているのが特徴で、速乾性も高いため、汗をかきやすい季節の着物の着心地を快適にしてくれるでしょう。

絽縮緬(ろちりめん)

ねじった糸を用い、絽と同じくもじり織で織られた生地をさします。単衣の着物(※裏地のない着物のこと)にあわせるのが一般的です。
絽よりは透けておらず、縮緬特有のシボがあり、適度な通気性があります。着用時期は6月上旬~半ば頃と9月半ば頃~末までと、やや限定的です。

楊柳(ようりゅう/きんち)

経糸にのみねじりを加えることで、縦方向に流れるようなシボが入っているのが特徴です。着用時期は5月いっぱいと、9月半ば~末頃まで。
夏を目前に控えた頃や、残暑が残る季節に、首元に爽やかさをプラスしたいときにどうぞ。

レース

1年を通していつでも着用してよいのがレースの半衿です。ただし留袖や訪問着など、礼服として着られる着物にあわせるのはNGですので気をつけましょう。

控えめな白いレースなら、着物の上品な印象はそのままに首元を華やかにすることができます。パッと目を引く個性的な着こなしがしたいときは、着物の雰囲気に合う色物のレース半衿を選んでみてくださいね。

シーン別の着物と半衿の組み合わせは?

留袖や喪服には白い無地の半衿を合わせるのがマナーです。塩瀬の生地で、白無地の半衿はどのようなシーンで着用しても問題ありませんので、1枚持っておきましょう。

生地の色が白でも、刺繍や模様が入っているだけで半衿の印象は大きく変わります。花嫁衣装には金色・銀色の糸の刺繍が入ったものや金箔・銀箔を散らしたもの、松竹梅など縁起のよい柄が入った半衿を組み合わせがよく映えるでしょう。

また、訪問着や付け下げも刺繍の入った半衿をあわせることでぐっと華やかになります。ただし、かしこまった席にこれらの着物を着ていく場合は、やはり白無地の半衿を選ぶべきです。

カジュアルに着物を着るときには、前述したレースの半衿やビーズがあしらわれたもの、華やかな色柄の半衿などで少し遊びを加えてみてはいかがでしょうか?

・ワンポイントの柄が入った半衿で控えめに個性を出す
・着物と反対色の半衿でアクセントを効かせる
・派手な色+大きな柄の半衿で一目置かれる着こなしをする

など、半衿の選び方と組み合わせ次第で、着物・振袖の印象はガラッと変わりますよ。

成人式の振袖にぴったりの半衿は?

振袖は未婚女性の礼服であり、フォーマルな場で着られる着物ですが、成人式に着る振袖には白以外の半衿を合わせてOKです。
色選びに迷ったときは振袖と同系色か反対色の半衿を選んでみましょう。上品に着こなしたい場合は同系色が、個性的に着たい場合には反対色がよく合います。

派手な柄の振袖には、同じく派手な半衿を合わせるとゴージャスな印象に。古典柄の振袖にストライプ・ドットなど規則正しい柄の半衿を組み合わせれば、レトロモダンな着こなしになりそうです。

シンプルな振袖×シンプルな半衿のコーデは大人っぽさ、落ち着きを演出したいときにぴったり。あえて華やかな色柄の半衿を合わせれば、顔まわりの印象がパッと明るくなるでしょう。

成人式の振袖にあわせる半衿には特にルールがありません。前述したレースの半衿を合わせるコーデも近年ではよく見かけるようになりましたので、いろいろな組み合わせを楽しんでみてくださいね。

半衿の選び方のルールやマナーは?

半衿選びを誤ると、コーデがちぐはぐになったり、周囲にマナー違反な印象を与えてしまったりと支障が出ることがあります。最後に半衿を選ぶ際におさえておきたいルールと、選び方のポイントをまとめました。

TPOで選ぶ

格式ある場に着物を着て出向く場合は、白無地の半衿が最適です。刺繍入りのものを用いる場合は白、金、銀の糸が使われているものを選びましょう。
なお、金色の細工や模様が入った半衿はカジュアルな着物に用いてはいけません。

フォーマルな場にも、カジュアルに着物を着こなしたいときにも役立つ半衿の生地は塩瀬です。
フォーマル用に白、華やかに見せたいとき用には白や淡い色の刺繍入り、そして普段使いの着物用に色柄物の半衿を持っておけば、だいたいの着用シーンを網羅できるはずですよ。

季節で選ぶ

季節に合わない半衿を選ぶと、着物の着心地が悪くなったり、季節外れな印象を与えたりすることが。
前述した半衿の生地別に、適した季節を改めて以下の表にまとめました。

半衿の生地 適した季節
塩瀬 10月初旬~5月末
6月初旬~9月下旬
縮緬 11月中旬~2月中旬
麻絽 7月初旬~8月末
絽縮緬 6月上旬~中旬、9月中旬~末
楊柳 5月、9月中旬~末
レース 1年中いつでも可

夏用の半衿は通気性や吸水性に優れ、冬用の半衿は温かみがあるなど、季節に合う特徴があります。

その季節を彷彿とさせる花や生き物の柄があしらわれた半衿を選ぶのもおすすめです。着物の素材や質感も考慮しつつ、季節感のある半衿との組み合わせを考えるようにしてくださいね。

見た目で選ぶ

半衿の色柄に迷ったときは「目立たせたいか」「馴染ませたいか」を考え、イメージに合うものを選びましょう。

半衿は着物や振袖の首元からチラリと見えるだけですが、意外と存在感があります。目立たせたければ着物・振袖の反対色や派手な柄の半衿を選ぶとよいですし、馴染ませたければ同系色や控えめな柄の半衿を選ぶのがおすすめです。

まとめ│半衿は着物を守るために必要不可欠!おしゃれな半衿でコーデを楽しもう♪

半衿は着物の衿を汚れから守り、また着こなしをおしゃれにしてくれる優れたアイテムです。浴衣以外の着物を着る場合には半衿が必要ですので、忘れずに準備しましょう。

半衿は長襦袢の衿に重ねて使うもので、自分で付けなければいけません。付ける方法は以下の3パターンが一般的。

・縫い付ける
・半衿用の両面テープを使う
・安全ピンで固定する

ファスナー付きの長襦袢と半衿を購入すれば、ワンタッチで装着することも可能です。

半衿は素材や生地によって着用時期が異なり、また色柄の有無によって使い分ける必要もあります。
基本的には白無地の半衿を選べば間違いありませんが、成人式に着る振袖など華やかに着物を着こなしたいときには色柄物、刺繍入りのものを選んでみてくださいね♪

日頃から着物を着慣れていない方にとっては、TPOや着物にぴったり合う半衿を選ぶのは難しいかもしれません。
そんなときは、着物と着付けに必要な小物を半衿込みで一式借りられるレンタルサービスを利用してみてはいかがでしょうか?

和風館ICHIの振袖レンタルでは、振袖にぴったりな長襦袢に半衿を付けた状態でお届け♪振袖を着たあとは洗濯やお手入れ、クリーニング不要でご返却いただけます。

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